放射線は目には見えませんが、測ることが出来ます。GNF-Jで取扱っているウランからも放射線が出ています。工場内の、ウランを取扱っているエリアでは放射線の量を測ることが義務付けられており、 GNF-Jでの放射線業務従事者の1人平均(年間)の放射線を受けた量は、0.1ミリシーベルト以下となっています。
私たちは日常生活の中でも、「宇宙から」「大地から」「食べ物から」放射線を受けながら暮らしています。
当社で働く放射線業務従事者の年間平均被ばく量は0.2ミリシーベルトです。(操業時)
「放射線」とは、「放射性物質」から出てくる電磁波や粒子のことです。
「放射能」は、放射線を出す能力のことをいいます。
たとえば、懐中電灯に置き換えると、懐中電灯から出る光が放射線であり、懐中電灯が光を出す能力が放射能、そして懐中電灯が放射性物質になります。
放射線には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線などいろいろな種類があり、その種類によって物を突き抜ける能力(透過力)が異なります。
たとえば、透過力の弱いアルファ線は紙一枚で止まり、透過力の強い中性子線は、水や厚いコンクリートで止めることができます。
このように、材料や材料の厚さを適切に選ぶことで、放射線は止めることができます。
私たちは、食物に含まれる放射性物質からも放射線を受けています。
多くの食品にはもともと放射性物質が含まれているため、私たち人間の身体の中にも常に放射性物質が存在しています。
放射性物質は時間と共に減っていく性質を持つ上に、代謝や排せつによって体外にだされるため、身体の中にたまり続けることはありませんが、常に身体の中にあります。
たとえば、カリウムは筋肉や神経の機能を正常に保つなど人間に欠かせない成分ですが、その中にもカリウム40という放射性物質が含まれています。
被ばくとは、放射線を受けることで、「外部被ばく」と「内部被ばく」があります。
外部被ばくとは、レントゲンなど、身体の外にある放射性物質から出る放射線を受けることをいいます。
内部被ばくとは、放射性物質で汚染されたものを飲み込んだり、汚染された空気を吸ったりすることにより、放射性物質が体内に入り、それにより放射線を受けることをいいます。
「汚染」とは、放射性物質が皮膚や衣服に付着した状態をいいます。
汚染した場合は、放射性物質を拭いたり、洗い流したりすることで除染します。
放射線を身体に受けることによって、細胞の遺伝子に傷がつくことがあります。
しかし、人間には傷を修復する力が備わっているので、そのほとんどは自然に修復されます。
また、100ミリシーベルト以下の放射線では、一度に全身に受けた場合の人体への影響は確認されていません。
一方、一度に多量の放射線を受けると、放射線によって傷ついた細胞を十分に修復することができなくなり、人体に影響が出る可能性があります。
国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年勧告で、一般公衆の原子力施設からの線量限度(1.0ミリシーベルト/年)が定められています。(自然放射線及び医療被ばくは除く。)