安全と環境への取り組み

放射性物質および放射線の特性

日常生活と放射線

放射線は目には見えませんが、測ることが出来ます。GNF-Jで取扱っているウランからも放射線が出ています。工場内の、ウランを取扱っているエリアでは放射線の量を測ることが義務付けられており、 GNF-Jでの放射線業務従事者の1人平均(年間)の放射線を受けた量は、0.1ミリシーベルト以下となっています。

単位の解説:人がどれくらい放射線を受けたかはシーベルト(Sv)という単位で表します。
単位の解説:人がどれくらい放射線を受けたかはシーベルト(Sv)という単位で表します。

私たちは日常生活の中でも、「宇宙から」「大地から」「食べ物から」放射線を受けながら暮らしています。

日常生活と放射線の図

日常生活と放射線の図

出典:日本原子力文化財団 原子力・エネルギー図面集

当社で働く放射線業務従事者の年間平均被ばく量は0.2ミリシーベルトです。(操業時)

放射線と放射能

「放射線」とは、「放射性物質」から出てくる電磁波や粒子のことです。
「放射能」は、放射線を出す能力のことをいいます。

たとえば、懐中電灯に置き換えると、懐中電灯から出る光が放射線であり、懐中電灯が光を出す能力が放射能、そして懐中電灯が放射性物質になります。

放射線と放射能の図

放射線と放射能の図

出典:日本原子力文化財団 原子力・エネルギー図面集

放射線の種類と透過力

放射線には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線などいろいろな種類があり、その種類によって物を突き抜ける能力(透過力)が異なります。

たとえば、透過力の弱いアルファ線は紙一枚で止まり、透過力の強い中性子線は、水や厚いコンクリートで止めることができます。
このように、材料や材料の厚さを適切に選ぶことで、放射線は止めることができます。

放射線の種類と透過力の図

放射線の種類と透過力の図

出典:日本原子力文化財団 原子力・エネルギー図面集

体内・食物中の自然放射性物質

私たちは、食物に含まれる放射性物質からも放射線を受けています。
多くの食品にはもともと放射性物質が含まれているため、私たち人間の身体の中にも常に放射性物質が存在しています。
放射性物質は時間と共に減っていく性質を持つ上に、代謝や排せつによって体外にだされるため、身体の中にたまり続けることはありませんが、常に身体の中にあります。

たとえば、カリウムは筋肉や神経の機能を正常に保つなど人間に欠かせない成分ですが、その中にもカリウム40という放射性物質が含まれています。

体内・食物中の自然放射性物質の図

体内・食物中の自然放射性物質の図

出典:日本原子力文化財団 原子力・エネルギー図面集

被ばくと汚染

被ばくとは、放射線を受けることで、「外部被ばく」と「内部被ばく」があります。
外部被ばくとは、レントゲンなど、身体の外にある放射性物質から出る放射線を受けることをいいます。
内部被ばくとは、放射性物質で汚染されたものを飲み込んだり、汚染された空気を吸ったりすることにより、放射性物質が体内に入り、それにより放射線を受けることをいいます。

「汚染」とは、放射性物質が皮膚や衣服に付着した状態をいいます。
汚染した場合は、放射性物質を拭いたり、洗い流したりすることで除染します。

被ばくと汚染の図

被ばくと汚染の図

出典:日本原子力文化財団 原子力・エネルギー図面集

放射線の人体への影響

放射線を身体に受けることによって、細胞の遺伝子に傷がつくことがあります。
しかし、人間には傷を修復する力が備わっているので、そのほとんどは自然に修復されます。
また、100ミリシーベルト以下の放射線では、一度に全身に受けた場合の人体への影響は確認されていません。

一方、一度に多量の放射線を受けると、放射線によって傷ついた細胞を十分に修復することができなくなり、人体に影響が出る可能性があります。

放射線の人体への影響の図

放射線の人体への影響の図

出典:日本原子力文化財団 原子力・エネルギー図面集

国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年勧告で、一般公衆の原子力施設からの線量限度(1.0ミリシーベルト/年)が定められています。(自然放射線及び医療被ばくは除く。)

放射線防護の考え方

放射線による影響には、「確定的影響」と「確立的影響」という二つの影響があります。確定的影響は、症状ごとに影響が出始めるしきい線量があり、それ以下では放射線による影響は出ません。一方で、確率的影響にはしきい線量はなく、放射線の量に比例して発生する確率が高くなると考えられています。

確定的影響には、脱毛や白内障などがあり、確率的影響にはがんや白血病などがあります。たとえば、皮膚に約3,000ミリシーベルトの放射線を一度に受けると脱毛の影響が出始め、水晶体に約5,000ミリシーベルトの放射線を一度に受けると、白内障の影響が出始めると考えられます。

放射線防護の考え方の図

放射線防護の考え方の図

出典:日本原子力文化財団 原子力・エネルギー図面集

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